東京メトロ虎ノ門駅(東京都港区)の階段を上ると、桜田通りと外堀通りを結ぶ虎ノ門交差点の目の前に出る。北に霞が関の官庁街、南に虎ノ門のビジネス街が広がる。超高層ビルの間を縫ってランドマークの新旧建築を見て歩いた。(共同通信=松本泰樹)
交差点の西北角を占める美しい近代建築は、昭和初期に建てられ、国の登録有形文化財に指定されている「旧文部省庁舎」。スクラッチタイル張りの外壁が周囲の無機質なビルと好対照で、中庭では江戸城外堀跡の石垣も見学できる。
そのやや西に、36階建て、高さ147メートルの「霞が関ビルディング」がそびえ立つ。1968年に日本初の超高層ビルとして完成した。日本一だった高さはその後、他のビルに抜かれていくが、正面は視界が遮られず、見栄えがする。
外堀通りに沿って「新聞創刊の地」「溜池櫓台跡」をはじめ、幾つもの碑がある。「工部大学校阯碑」は、東京大工学部の前身の一つである同校の跡地に立つ。移転後も帝室博物館などに使われていた建物が関東大震災で倒壊したのを惜しみ、卒業生らが崩れたれんがを使って碑を建設した。
交差点の西南では、隣接する「金刀比羅宮」と「虎ノ門琴平タワー」が、近年...