3月11日の東京株式市場の日経平均株価(225種)は、取引時間中に前週末比で1200円近く急落する全面安となりました。背景には、前週末の米国市場でハイテク株が下落したことがあります。生成人工知能(AI)ブームの象徴とされる半導体企業エヌビディアの株が売られ、関連する日本企業の株も大きく下がりました。
外国為替市場での円高ドル安も一因でしょう。11日の円相場は1ドル=146円台に円高が進みました。
日米の金融政策の姿勢には差があります。米国では、8日に発表された2月の雇用統計が弱かったことなどにより早期の利下げ観測が高まっており、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長からもそれを追認するような発言がありました。
一方の日銀は、植田和男総裁らボードメンバーからマイナス金利解除の観測を強める発言が相次いだことで、3月18~19日の金融政策決定会合で政策修正が行われるとの見方が広がりました。
さらに、これまでは日本株が午前中の取引で2%以上下落すると、日銀が上場投資信託(ETF)を買い入れるのが慣例となっていました。しかし、今回は日銀が購入を見送ったため、こうした買い入れが停止するとの観...