よく年配の人たちが、顔を合わせるとすぐお天気の話をしたり、服用している薬の話や、体調の話なんかをしたりして盛り上がっているのを見聞きしていると、ついつい若者やなんかは「うわぁ~、年寄りくさいなぁ」とか思ってクスクスと笑ってしまうものだ。
落語家という商売をやっていると、時折自分の年齢を忘れることがある。これにはいくつかの理由が挙げられるのだが、今日はそのいくつかを紹介しよう。
まず初めに挙げられるのが、落語家には定年がなく生涯現役!なので、年配になればなるほど若者なんぞに負けてられるか!という気概が生まれて、楽屋に入るととても若々しい、ということ。一方、若手は若手で、楽屋にはおじいちゃんたちがウジャウジャいて、いつまでたっても若者扱いを受けるので、自分も年を重ねて良いお年頃となっていることに気が付かない。
そして、実年齢ではなく芸年齢の世界なので、同期といっても年上もいれば年下もいて、年がバラバラ、ということも大きい。自分の年齢が分からなくなってしまうものだ。
これについてよく言われるのが、入門が許されてから始まる4年間ほどの前座修業について。これを「第二の青春」と呼ぶ人たちが多い。...