紅こうじ原料を含むサプリメントが原因とみられる健康被害が相次いでいる。
1月から2月にかけて、医師から製造した製薬会社に「腎疾患を引き起こす成分が含まれているのではないか」などの照会が複数あったことが発覚のきっかけだったようだ。今回の問題はまだ原因物質がはっきり特定されたわけではないが、「副作用もある薬と違ってサプリなら安全」と考えていた人たちには衝撃だったのではないか。
「もっと健康になりたい」「いつまでも若くいたい」という人間の欲望には限りがなく、健康食品やサプリメントの市場は拡大の一途をたどっているといわれる。それを受けて、消費者の選択肢を増やすために「機能性表示食品」という制度ができたのは、2015年であった。今回のサプリメントもそれに該当する。
この制度の管轄は厚生労働省ではなく消費者庁で、その説明には「安全性の確保を前提とし、科学的根拠に基づいた機能性が、事業者の責任において表示されるもの」となっている。事業者の情報をもとに商品を選択するのは、あくまで「消費者のみなさん」なのだ。
しかし、いくら「食品」であっても、それらは人体にさまざまな影響をもたらす。しかも、皮肉なこと...