香港では3月、交流サイト(SNS)に大掃除の写真が多く投稿された。年末にはほど遠い時期になぜか。友人が投稿したごみや古物がいっぱいの写真には「ごみ回収の有料化が始まる前に」との一文が添えられていた。
4月から一部の住宅や商業施設、飲食店を対象に、ごみ回収の有料化に向けたテストが始まった。家庭などに政府指定ごみ袋の使用を義務付ける方針となった。試験運用中は指定ごみ袋が無償で配布されるが、制度が本格的に始まる8月1日からは原則として有償となる。価格は容量3リットルのもので0・3香港ドル(約6円)、100リットルでは11香港ドル(約213円)の予定だ。
ごみ捨てに金を払わなければならないことに対して「安心して買い物ができない」と声を上げる市民もいれば、「金を払うのも仕方がない」と受け入れる家庭もあり、反応はさまざまだ。
物の大小や種類を問わず、なんでも自由に捨ててきた香港人にとって、環境への負荷をいかに減らすかは長年の大きな課題。理解に時間はかかるかもしれないが、ごみの分別と減量を社会全体が意識しなければならない時代になったことは確かだ。(香港)
▽地域ごとに多様なインドネシアのバティック...