デザインの世界にはプロダクトやグラフィック、ウェブなど、さまざまな分野がある。太刀川英輔さんは、ジャンル不問のデザイナーとして防災や再生可能エネルギー、地域活性化などの社会課題に向き合ってきた。
代表を務めるデザイン会社「NOSIGNER(ノザイナー)」は、東京都が2015年から都内全戸に配布した冊子「東京防災」のデザインと編集に関わり、新型コロナウイルス流行時には、クリアファイルで作るフェースシールドの型をオンラインで無料配布し、話題となった。最近では、環境省の事業で気候変動に適応する都市への戦略作りなどに関わっている。デザインストラテジストの肩書で多岐にわたる活動を展開している太刀川さんに話を聞いた。
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―「ノザイナー」とはどういう意味ですか?
学生時代には建築を学びましたが、デザインと建築の境目が分からなくなったのでデザインを独学し、その理想は何かを考えていました。いすを考えた人やガラスを最初に作った人はすごいですよね。社会で役立っている素晴らしいデザインって「詠み人知らず」ばっかりなんです。
僕も最初から詠み人知らずになろうと、匿名で仕事を始めまし...