「見立て」の技学ぶ 西伯小で法勝寺一式飾りの授業

 南部町の法勝寺地区に江戸時代から伝わる「法勝寺一式飾り」を学習する授業が、同町法勝寺の西伯小であった。5年生40人が、素材や用途が同じ生活用品一式で飾りが作られていることや、作品制作に欠かせない「見立て」の技を学んだ。

 一式飾りは、陶器や茶道具など身近な生活用品一式に素材を限定して、人物など別の物を表現する飾り物。江戸時代末期から明治の初期ごろ、厄よけや豊作を祈願して始められたとされる。一式飾りの文化が鳥取県内で唯一残っている同町は伝統を継承しようと、独自のカリキュラム「まち未来科」で一式飾りを学ぶ授業を行っている。

 国内外の一式飾りを研究する鳥取大地域学部の高橋健司教授が講師を務め、3月の町内イベントで展示された、今年のえとの「龍」や、将棋を指す藤井聡太七冠を表現した作品を写真で紹介。一式飾りには、生活用具を巧みに組み合わせて世相を映した作品を作る文化があると解説した。

 作品作りには、使用する素材の見方を変えて別の物を表現する「見立て」の技が必要になる。授業では、法勝寺宿自治会一式飾り担当の堤一真さん(80)が、餅つき道具一式で制作した作品の作り方を説明。児童は、きねとしゃもじを組み合わせるとウサギのように見えるといった、見立ての技を教わった。

 加納明輝さん(10)と広山誠志郎さん(11)は「(これまでも)一式飾りの勉強をしてきたが、何でできているかなど、もっと詳しく知れたのが良かった」と話した。

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