失われる町家 アートに 「AIR475」市美術館で展覧会 滞在制作で作品披露

第1期は現代美術作家、鎌田さん

 米子市でアートを通してまちづくりに取り組む「AIR475」(来間直樹代表)は市美術館で展覧会を開き、アーティストらが市内で滞在制作した作品を披露している。第1期展示では福岡県の現代美術作家、鎌田友介さんが「あなたはもう思い出せない」と題し、時代の流れで忘れられていく国内外の日本家屋を写真や映像で伝えている。8月4日まで。入場無料。

 第一線で活躍するアーティストを招き、滞在制作で地域の資源を発掘し活用してもらうアートプロジェクト。2013年から実施している。今展では2人のアーティストが昨年約1カ月滞在した成果を披露した。

 同市の中心市街地には戦前の古い町家や町並みが残されており、鎌田さんは取り壊される町家をカメラで追った作品など13点を制作展示。戦争や移民政策などの歴史的背景により米国や朝鮮半島、ブラジルに建てられた日本家屋と中心市街地の町家を重ね合わせた作品では、国を越えた近代史のつながりを表すとともに、歴史の証人となった建物が失われ忘れられていくことに警鐘を鳴らしている。

 来間代表は「中心市街地の古い建物が次々となくなり、なじみのある風景が失われつつあることを考えてほしい」と話した。

 期間中、岩倉ふらっと(同市岩倉町)では、土日に関連資料を展示。4日は米子北斗高の生徒との座談会を同所で開く。第2期展示は市美術館で9日から開かれ、現代美術作家の白川昌生さんが出雲信仰から県内の人物史を考える展示を行う。

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