【香山リカ てのひら診察室】自民党は旧統一教会との関係を再検証すべきだ

  •  香山リカ

 企業などで不祥事が起きたときは、すみやかに内部調査や第三者委員会による調査を行い、判明した事実をなるべく率直に開示する。これがいまの危機管理対応の基本だ。そうするしかその組織が立ち直り、人びとの信頼を得る道はないのだ。ところが、わが国の政権を担う政党で、それが守られていなかったという衝撃の事実が判明した。

 9月17日付の朝日新聞の一面に、安倍晋三元首相が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の会長ら幹部とともに写る写真が掲載された。当時、総裁特別補佐だった萩生田光一元経済産業相や安倍元首相の実弟でもある岸信夫・元防衛相が同席している。記事によるとこの面談が行われたのは2013年6月30日、参院選公示4日前で、教団から自民党への選挙支援が確認されたという。

 これまで多数の自民党議員と旧統一教会の関係が問題とされたが、党は一貫して組織的なかかわりを否定してきた。安倍元首相が銃撃で死去したあと、2022年8月2日の記者会見で、茂木敏光幹事長も「党として(旧統一教会と)組織的な関係がないことを、関係部門に改めて確認するよう指示した結果、これまで一切の関係を持っていないとのことだった」と話している...

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