特急「やくも」に使用され6月に定期運行を終えた381系電車の部品オークションが6日、鳥取県米子市日ノ出町2丁目のJR西日本後藤総合車両所であった。引退を惜しむファン約50人が参加。「スーパーやくも」の銘板セットが50万円で競り落とされたほか、ヘッドマークの字幕は23~28万円で落札された。
同社の旅行サイトで申し込んだツアー客を対象に限定で実施。客室に掲げていた車両番号を示すアルミ製(一部アクリル製)の銘板のセット計19両分と、2種類の行き先字幕が出品された。
オークションはそれぞれ1万円から開始。このうち「スーパーやくも」パノラマ編成を中心とした7両分の銘板セットはファン垂涎(すいぜん)の“お宝”で、参加者が次々と手を挙げて一気に値段が上昇。4人が最高額の50万円の値を付けた。じゃんけんを制し落札した大阪府寝屋川市の男性医師(43)は「思い入れのある車両。職場で飾り大切にしたい」と興奮冷めやらぬ様子だった。
381系は同車両所で長年検査や修理が行われ、現在は順次解体が進んでいる。同車両所担当課長の富田博之さん(40)は「運用は終わったが、第2の人生として(部品が)多くの人に見てもらえれば。国鉄が作った名車を末永く愛してほしい」と願った。
この日は同車両所の一般公開もあり、約2500人が来場した。