【藤岡みなみ 私はこれをあきらめた】限界自覚し「頑張る」やめた 焦らずコツコツ、心身軽やかに

  •  藤岡みなみ
  •  無理するより無理しない方がはかどる=筆者提供
  •  アイスと散歩で積極的に回復を図る=筆者提供

 私は最強ではない。

 30歳を超えたあたりからそう自覚するようになり、ずいぶん気楽に生きられるようになった。

 「無理をすればするほど強くなれるんだよ」。学生の時にアルバイトをしていたアイスクリームショップの店長がそう言った。彼女は若い頃、毎日夜遅くまで働いた後に寝ずに遊びに出かけ、帰宅してからは思い切り筋トレをして気を失うように眠っていたという。

 そうか、気力と体力は使い切ることによって限界値が上がっていくのか。社割で買ったチョコミントアイスを食べながら話を聞いていた私は、この法則に大いに影響を受け、朝から晩までスケジュールをみっちり詰め込むようになった。朝6時からベーカリーでアルバイト、10時から15時まで授業。夕方はサークル活動、夜はアイスクリーム店で働く。手帳は小さい文字で埋まり、真っ黒だった。

 社会人になってもそんな働き方をしていたが、特に自分が強くなっているような気はしなかった。おかしいな、無理をすれば強くなれるって聞いていたのに。頑張れば頑張るほど、もっと頑張らなければいけない気がした。常に焦りがつきまとい、家族や友人との時間にも集中できなかった。

 しかも、たまに虚無感がく...

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