鳥取県内の東・中・西部各地区選抜代表10人ずつ計30人の強豪が一堂に会する「第63回鳥取県3地区囲碁対抗戦」(県囲碁連盟、新日本海新聞社主催)が10月27日、倉吉市山根の倉吉体育文化会館で行われた。1人3局打ちで3回戦を行い、総勝ち星数を争った結果、中部が3年ぶりの優勝杯を手にした。その激闘の跡を振り返る。(敬称略)
【大会総括】2年続けて苦杯をなめていた中部が他を圧倒。東部の躍進もあって、連覇中の西部に元気なく、中部が3年ぶりの優勝を飾った。
【1回戦】中部が6勝4敗で一歩リード。東部は5勝5敗の五分の成績。4勝の西部はやや出遅れたが逆転は十分可能。
【2回戦】東部と中部が6勝4敗でデッドヒートを繰り広げる。両者を追う西部はエンジンがかからず3勝7敗。
【3回戦】中部が8勝2敗とここに来て地力を発揮。リードを拡大し優勝杯を引き寄せた。全勝は秋藤伸一だけだったが7人が2勝1敗と平均的に星を稼いだ。
中部以上の成績を挙げての逆転を狙う東部だが3勝止まりで力尽きた。上位に起用された若手が躍進の原動力となった。
中・東部に差をつけられた西部は最終戦でも意気上がらず4勝6敗と負け越し。神戸が全勝と気を吐いたが他が意外な不振で3位に沈んだ。
【出場者の各成績】
【中部】優勝 20勝
①秋藤 伸一(3勝)
②津和野道雄(1勝2敗)
③森下 博(2勝1敗)
④飯田 和也(2勝1敗)
⑤立木 実(2勝1敗)
⑥徳山 英晴(2勝1敗)
⑦湯本 正雄(2勝1敗)
⑧松田 清(1勝2敗)
⑨田村 勝実(2勝1敗)
⑩米原 勇夫(2勝)
補欠 水谷 浩(1勝)
【東部】2位 14勝
①秋藤 駿介(1勝2敗)
②立木 琢也(1勝2敗)
③菊川 章仁(1勝2敗)
④久野 昭彦(2勝1敗)
⑤山田慶太朗(1勝2敗)
⑥加須屋正義(1勝2敗)
⑦杉原 吾良(2勝1敗)
⑧小倉 豪(2勝1敗)
⑨片山 克己(2勝1敗)
⑩恩田 胤之(1勝2敗)
【西部】3位 11勝
①門脇 宏幸(2勝1敗)
②村河 直樹(1勝2敗)
③阿部 正行(1勝2敗)
④石川 武善(1勝2敗)
⑤神戸 弥帆(3勝)
⑥丸山 和彦(3敗)
⑦瀬尾 悠平(2勝1敗)
⑧平木 延明(3敗)
⑨新田 雅(3敗)
⑩小谷 浩之(1勝2敗)
【第1局】 総譜(1-131)
【第1局】
●秋藤 伸一(中部主将)
○秋藤 駿介(東部主将)
(6目半コミ出し)
史上初親子対決、父勝利
秋藤駿介が進学で東部へ移籍しての実現。白48まで白はしっかり地を持ち、まずまずの形勢。
ところが白の左下隅コウ仕掛けに対し、黒は75・83とフリカワってリードを奪う。
さらに黒89と103ツケから厚みを築き上げた黒が中央を制し、着実に差を広げて勝利した。
(132手以下略 黒13目半勝ち)
【第2局】 総譜(1-218)
【第2局】
●阿部 正行(西部3将)
○久野 昭彦(東部4将)
(6目半コミ出し)
東西実力者同士が激突
白は右下隅・右上隅と三々に入って地を稼ぐが、黒は25と広げて勝負を挑む。黒71にキリが入っては白苦戦必至か。白100となって白一息ついたが、形勢は黒大きくリード。
ところが白212に黒2子はダメ詰まりのため逃げられない。黒217でも218にハネていればまだ黒が勝っていた。
(219手以下略 白半目勝ち)