温度の違いで味わいが変化する日本酒の魅力を発信しようと、「燗(かん)酒」にスポットを当てたイベント「燗椀(かんわん)グランプリ」が20日、米子市で開かれた。お燗の腕前を競う「燗付け」と相性の良い料理を競う「酒肴(しゅこう)」の2部門で審査が行われ、燗付けの部金賞(1位)に高松市の会社員、平岡秀規さん(32)、酒肴の部に金沢市の輪島朝市ドットキッチンが選ばれた。
コメ本来のうまみを大切にする純米酒造りが盛んな鳥取県の日本酒をアピールしようと県が初めて開き、全国から日本酒愛好家など約50人が参加した。
このうち燗付けの部には公募で集まった3人が審査に臨み、温度帯や燗付けの時間、器などにこだわりながら、5人の審査員に提供した。
一方、酒肴の部には事前募集に応じた愛好家らが審査員に加わり、県内外の飲食店8店が腕を振るった料理と燗酒との相性に点数を付けた。金賞に選ばれた輪島朝市ドットキッチンは、能登半島地震で避難する朝市の店主が加工したホタルイカの干物を添えたカナッペを提供した。
燗付けの部に参加した京都府宇治市の市職員、森川克哉さん(42)は「鳥取のお酒は燗にするとやわらかく感じるものが多く、料理と一緒に出すと評判が良い」。審査に参加した境港市の看護師、岡田真綾さん(30)は「お酒と料理がお互いを引き立てていた。鳥取のお酒が燗に合うと思っている人がたくさんいてうれしかった」と話していた。