屋久島で鳥獣害対策学ぶ 湯梨浜学園SSH研修 気候や生物の生態調査

 湯梨浜町の湯梨浜学園は、スーパーサイエンスハイスクール(SSH)プログラムの一環として森林保全プロジェクト研修を3日間の日程で行った。高校2年生が屋久島(鹿児島県)を訪れて国有林での公益的機能の維持や向上への取り組みを学んだり、サルやシカの足跡や食痕、わななどを調べたりして、鳥取県の鳥獣害対策との違いについて理解を深めた。

 世界自然遺産エリアでは野生生物の生態を衛星利用測位システム(GPS)で調査したほか、屋久島の地質や、気候の特性や植生、野生動物の特徴を学習。固有種のヤクシカやヤクシマザルの採食行動などを間近で観察し、個体数の増加によって希少植物への被害が深刻化している状況を把握した。

 映画「もののけ姫」の舞台とされる白谷雲水峡では、原生的な照葉樹林地表がシダやコケで覆われており、海岸と山頂で気温が変化することよって植生が変わる様子や、シカなど有害鳥獣の減衰を確認した。

 県内のシカを研究している中川大空さん(16)は「鳥獣害対策について、鳥取と屋久島のわなの大きさや仕掛ける場所の違いに納得した。食害があるから駆除するのではなく、適切な個体数に戻すことが大切だと学んだ。人間と動植物が共に暮らすために動植物のことも大切に考えたい」と話した。

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