2022年9月30日、師匠の六代目三遊亭円楽が死去した。
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人生で一番長い日でした。ラジオの生放送後、懇意の記者さんから師匠が亡くなったという情報があると電話があり、しばらくして一門の後輩から師匠が亡くなりましたと連絡が入りました。そこからはよく覚えていません。
とにかくお会いしなければと、すぐにお宅へ向かいました。1階のベッドに師匠がいらっしゃいました。長い闘病生活、よほどのご苦労があったと思います。細くなった手を組んで安らかに目を閉じていました。
走馬灯のように過去が思い出される。怒られる場面ばかりでしたが、確かにそんな感じでした。
大腸がん、肺がん、脳腫瘍、脳梗塞。数々の病気を乗り越え、22年8月の高座復帰は国立演芸場。はからずも大師匠五代目円楽、そして大好きな桂歌丸師匠の最後の高座となった場所です。
「みっともなくてもいい、死ぬまでやります」と誓った通り、最後の最後まで落語を全うされました。もちろん思うような高座ではなかったでしょう。しかし前向きで思いのこもった力強い高座は、われわれ弟子へのメッセージでもありました。
出演者、関係者への差し入れはうなぎ弁当。最後...