首都圏と伊豆半島を結ぶ列車といえば、特急踊り子。1981年に誕生した当時は「変な名前の特急だなあ」などと思ったものだが、今となっては伊豆観光の看板列車にすっかり定着した。
東京や新宿を出発した列車は、ほとんどがJR伊東線を経て伊豆急行に乗り入れるのだが、熱海で一部の車両が切り離され、三島経由で伊豆箱根鉄道駿豆(すんず)線・修善寺に向かうものもある。今日の主役はその踊り子号が走る駿豆線だ。
三島は東海道新幹線の停車駅でもあり、新幹線と東海道線はほぼ東西に走っている。駿豆線のホームは東海道線ホームの南側に位置していて、踊り子は両者の間の渡り線を通って乗り入れる。踊り子以外の列車はすべて3両編成の普通電車。アニメ作品のキャラクターを描いたラッピング編成もあって、なかなかにぎやかな眺めだ。
三島を出発して西に向かった駿豆線の電車は、東海道線と離れるや左に急カーブを切り、向きを南西、南、南東と変えながら、ほぼ半円を描くように走って約3分、最初の駅、三島広小路に到着する。
三島広小路から先の線形は、最後の大仁(おおひと)、牧之郷、修善寺の3駅の区間こそ山間の狩野川に沿ってくねくねと曲がるが、これ...