【東京ウオッチ】円熟期の鮮やかな色彩、五感呼び覚ます―パナソニック汐留美術館でル・コルビュジエ展

いまのTokyoをつかむイベント情報(18日~26日)

  •  ル・コルビュジエ「牡牛☆(ローマ数字10)☆(ローマ数字8)」(1959年、大成建設株式会社蔵)(提供写真)
  •  ル・コルビュジエ「手」(1957年、森稔コレクション蔵)(提供写真)
  •  ロンシャンの礼拝堂(フランス、ロンシャン)1950年―55年 南西からの眺め 建築:ル・コルビュジエ(撮影:下田泰也、2016年)(提供写真)
  •  「イッセイ ミヤケ」の麻紙で制作されたコート=東京・銀座(提供写真)
  •  「ザ・プリンス パークタワー東京」の屋外庭園に飾られた6色の和傘=東京・芝公園(提供写真)

 ◎今週の一推しイベント

 【18日(土)】

 ▽「ル・コルビュジエ 諸芸術の綜合 1930―1965」(~3月23日、港区・パナソニック汐留美術館)

 近代建築の巨匠ル・コルビュジエが、円熟期に当たる1930年代以降、絵画や彫刻などの芸術作品を建築空間で総合的に表現した活動に注目した展覧会が、汐留で開催されている。

 南フランスなどの海岸で集めた貝殻や流木など自然の中の素朴な対象物をモチーフとして取り入れた鮮やかな色調の絵画やタペストリー、ダイナミックな彫刻など約90点を紹介。学芸員の大村理恵子さんは「米国で始まった世界恐慌をきっかけに、工業的なものから有機的な要素へと関心が移っていった。幻想的なシュルレアリスムの影響も受け、具象的な身体や自然をデフォルメして表現しているのが円熟期の芸術の特徴だ」と言う。

 建築家にとって重要だった触感にスポットを当てた彫刻「手」は「与え、受け取る」行為を表現し、人間の五感を呼び覚ますような作品。第2次大戦で破壊された中世の教会を再建した「ロンシャンの礼拝堂」の模型も展示した。直線的で幾何学的な印象を与える前中期の建築との大きな違いを感じさせる。「屋根には反り...

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