定年した夫が田舎に住もうと言いますが、行きたくありません

  •  養老孟司さん(撮影・大津薫)

【相談】

 夫が定年になり、亡き義父母が残した田舎の家で暮らしたいと言い出しました。風光明媚(ふうこうめいび)な所ですが、周辺に店もない不便な場所です。運転ができない私は夫に先立たれたら孤立した生活になりますし、そう思うと行きたくありません。夫は気に入らないと怒鳴り散らす人で「都会は嫌いだ。俺は家族のために我慢してきた」などと言われると、話し合う気力が湧きません。縁あって一緒になったのでできるだけ老後も人生を共にしたいとも思うのですが、最近は「離婚」の2文字が頭をよぎるようになりました。(59歳 介護職 女性 東京都)

 【養老孟司先生の回答】

 今回のご相談は一見、田舎暮らしをどうするかの話のように思えますが、実は完全に夫婦関係の問題ですね。

 ▽夫婦の“癖”

 今の若い人たちは、夫婦の価値観や役割分担がどんどん変わっていますが、専業主婦が多かったあなたの年代だと、生活の場はやはり妻の過ごしやすさを優先に考えなければいけない。ご近所付き合いも含めて家で過ごす時間は、どうしても妻の方が長くなる。だから本来、夫の立場としてはまず妻の意見を聴くところから始めなければならない、と私は思います。ところが...

残り 1337 文字
このページは会員限定コンテンツです。
会員登録すると続きをご覧いただけます。
無料会員に登録する
会員プランを見る
会員登録済みの方
この機能はプレミアム会員限定です。
クリップした記事でチェック!
あなただけのクリップした記事が作れます。
プレミアム会員に登録する ログインの方はこちら

トップニュース

同じカテゴリーの記事