相次いだ男性間の暴力事件、人ごとではない当事者意識の希薄さ

  •  清田隆之さん
  •  男性が電車と衝突した踏切の現場を調べる警視庁の捜査員=2023年12月、東京都板橋区

 昨年12月、この連載のテーマである「男性間の暴力」やその際に負った「傷」について考えさせられる三つの事件が立て続けに報じられました。

 一つは東京地裁で開かれた強制わいせつ事件の裁判を巡る共同通信のネット配信記事で、20代の被害者の男性が大学時代に所属していた体育会系の部活の先輩4人から性的な暴行を受けたという内容でした。

 加害者たちは合宿中に宿泊施設で被害者を押さえ付け、胸や陰部に歯磨き粉を塗り、泣いて抵抗する後輩を笑いながら、写真を撮り続けたといいます。被害者はその後、心身に異変を来して大学を休学することになり、旧ジャニーズ事務所の性加害問題の報道に触れたことがきっかけで警察に被害を相談。加害者たちは逮捕、起訴され、最終的に懲役2年6月、執行猶予4年の有罪判決が言い渡されました。

 もう一つは大阪府の産業廃棄物処理会社で起きた事件で、同僚の20代男性を作業場の重機で持ち上げ、約9メートルの高さから地上に落下させたとして、同社の40代の元専務と従業員2人が殺人未遂容疑で逮捕されたというもの。

 被害者の男性の命に別条はなかったものの、他にも、バットで殴る、顔面に可燃性の洗浄スプレーを噴射...

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