「時代に取り残されて、もがいている人の物語。僕も人ごとではないものを感じます」。2、3月に上演される舞台「殿様と私」で、明治維新に伴う急激な西洋化に戸惑う元藩主を演じる升毅。自身も生活のあらゆる場面でデジタル化の波と格闘中だといい「実感を込めた演技ができそう」と展望を語る。
ミュージカルの名作「王様と私」を下敷きにした、マキノノゾミ作のコメディー。酒浸りの日々を送っていた子爵の白河義晃(升)が、お家のため「時代遅れ」の汚名返上を決意し、鹿鳴館で華麗なダンスを披露するべく猛特訓を始める。
一見、頑固者の義晃だが「変わりたいという気持ちは常にあって、きっかけを探していたんじゃないか」。慣れないダンスに苦戦する姿に悲愴感はなく「頼られる喜びみたいなものも見え隠れする。かわいらしいお殿様です」と役を分析する。
義晃にダンスの手ほどきをする米国人のアンナ先生は、元宝塚歌劇団雪組トップスターの水夏希が演じる。「先生役にぴったりの方。僕は素人同然なので、稽古場でも生徒として教えを請うつもり」と謙虚に語った。
今年は70歳の節目に当たり「仕事でも私生活でも、新しい挑戦をしていきたい」。既に、30年前...