鳥取県特産の露地栽培の二十世紀梨の交配作業が、県内各地の梨園でピークを迎えている。最大産地の湯梨浜町では11日、雨の上がった午後から生産農家が梨園に入り、筆を使って花一つ一つに花粉をつけていった。作業は4月16日ごろまで続く。
JA鳥取中央によると、管内の花の生育は平年並みという。3月下旬からの気温上昇でつぼみが成長し、4月5日に開花。交配作業は7日に始まった。
約30アールで二十世紀梨を露地栽培する同JA東郷果実部長の寺地政明さん(69)の梨園ではこの日、花がほぼ満開に。花粉をつけ忘れないよう、枝を確認しながら丁寧に作業を進めた。寺地さんは「二十世紀は丁寧に扱えば期待に応えてくれる梨。大きくておいしい梨を消費者に届けたい」と笑顔で話した。
同町と北栄町北条地区の生産者205人でつくる同果実部は今年、約50ヘクタールで二十世紀梨を栽培。出荷量10万ケース(1ケース10キロ、昨年実績9万6400ケース)、販売額6億円(同5億8900万円)を目指す。