今年の鳥取県内での交通死亡事故が前年を2倍以上、上回るペースで推移している。新小学1年生の登下校が始まり、交通事故に遭う危険性が高まるこの時期、関係者は「歩行者らは目立つ格好で動くようにしてもらい、ドライバーはスピードを控えてほしい」と呼びかける。
県内で今年発生した交通事故は13日現在、159件(前年同期156件)で、傷者は183人(同176人)に上る。死亡事故は5件で5人が亡くなっており、前年同期の2件2人を大きく上回る。
死亡事故のうち、3件は夕方から夜の間に発生し、いずれも徒歩または自転車で道路を横断していたところを車にはねられている。このほか、2月には雪かき中の男性が車にはねられるなど、死亡事故のほとんどが車と人または車と自転車によるものとなっている。
事故が前年を超えるペースで推移している状況に県警交通企画課の近藤哲生次席は危機感を募らせ、反射材の活用やヘルメットの着用を呼びかける。この時期には新入学で登下校に慣れていない子どもたちがいることに加え、子どもの行動範囲が急激に広がることもあり、「横断歩道を渡る際の左右確認など、各家庭で一緒にルールづくりをしてもらいたい」と推める。
ドライバーに対しても「車のスピードを抑えれば、事故が起きてもけがの程度は軽くなる。注意してもらいたい」と話し、歩車双方での事故防止の取り組みを強く訴えている。