中国地方最高峰の鳥取県の国立公園・大山(1729メートル)で4日、夏山開き祭の山頂祭神事が営まれ、山岳関係者らが登山客の安全などを祈願した。大山では本格的な夏山シーズンの幕開けとなり、新緑の登山道は早朝から団体や家族連れらでにぎわった。
神事は弥山(1709メートル)の頂上碑前で営まれ、山岳や地元大山町の関係者ら約300人が参列。大神山神社の神職が祝詞を上げる中、代表者らが次々に玉串をささげた。登山者代表の岡山県倉敷市の山下有貴さん(28)は「初めての経験で緊張した。伝統が受け継がれているのがすごい」と話した。
この日の山頂は、薄くもやがかかっていたものの、弓浜半島などが見渡せる登山日和。登山道ではこまめに水分補給をしたり、眼下に広がる雄大な景色を写真に収めたりしながら山頂を目指す登山客の姿があちこちで見られた。
前夜祭のたいまつ行列で知り合った人と意気投合して、早朝5時に出発したという兵庫県上郡町の高見千晴さん(49)は「この季節の大山は新緑と岩のコントラストが魅力的。山頂は少し寒いけどここで食べるカップラーメンは最高」と笑顔を見せた。