課題解決へ2企画提案 県外ITエンジニア2人来訪 本年度初 北栄でワーケーション

 「ブドウ苗木のオーナー制度を導入しては」「農業貢献型スパルタンレース(障害物レース)を開いては」―。北栄町に2泊3日滞在した鳥取県外のITエンジニアが最終日の21日、二つの企画を手嶋俊樹町長に発表した。地域産業の課題解決を模索する同町が、外部のアイデアを取り入れようと本年度初めて実施したワーケーション。手嶋町長は「いい企画をもらった」と成果を喜んだ。

 人材派遣型の企業版ふるさと納税を活用。リモート環境下でシステム開発を行う会社「ラシック」(鳥取市)にプログラム作成や人材募集を委託し、同町の西尾知宏CIO補佐官が業務を担った。

 訪れたのは神奈川県在住の飲食店IT専門家の谷耕平さん(36)と福岡県在住のデザイナーの加藤歩弓さん(33)の2人。

 初回ということで同町松神の北条ワイン醸造所をモデルにし、19日に同社でワインの瓶詰め体験やブドウ畑を視察し、アイデアや意見を出し合い、それぞれの企画を完成させた。2人は隙間時間を利用して、コワーキングスペースなどで自身の仕事もこなし、ワーケーションを満喫した。

 「北栄町と北条ワインのファンをつくる」「農作業にかかる負荷に付加価値をつける」などの企画が発表されると、「具体的な提案で早く取り組めそう」と感想を述べた。町企画財政課は「リモートワークが普及するなか、外部のアイデアを取り入れるため、ワーケーションの仕組みを使っていきたい」と話した。

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