第67回鳥取県美術展覧会「県展」(鳥取県、県教委、新日本海新聞社主催)が16日、鳥取市の県立博物館で開幕した。洋画、日本画、書道など8部門の414作品を展示。初日に訪れた美術ファンは、多彩な力作を眺め「芸術の秋」を楽しんだ。
昨年を18点上回る566点の応募があり、最優秀賞の県展賞に15点、奨励賞に33点が選ばれ、両賞を含む301点が入選した。初日は表彰式があり、平井伸治知事が受賞者に賞状を手渡した。
会場には、身近な風景を描いた絵画や日常を切り取った写真、大胆な彫刻など、入選作品と無鑑査作品などが一堂に展示され、2年ぶりに審査員の講評や受賞者によるギャラリートークも開かれた。彫刻部門で県展賞を受賞した永江航己さん(伯耆町)の、ウシやカバなど4体の動物の頭部をモチーフにした陶芸作品には、審査員から「特徴を単純化したユニークな作品。割らない工夫も大変だったと思う。満票だった」との講評が寄せられた。
版画部門で2年連続の県展賞に輝いたミシマサオリさん(倉吉市)は「因州和紙を使い、リトグラフという技法で自分の子を描いた。作品からいとおしさや愛情が伝わるとうれしい」とほほ笑みながら自作を解説した。
◇鳥取会場の展示は24日まで。そのほかの3会場での巡回展の日程は、日南町美術館9月30日~10月8日▽米子市美術館10月14~22日▽倉吉未来中心10月26~28日、11月1~3日。