青果や花卉の取り扱い規模で日本一を誇る大田市場(東京都大田区)。東京ドーム約8・5個分の広い市場は都内に11ある中央卸売市場で一番大きい。普段、スーパーなどで購入する商品の「川上」をたどり、その規模を体感してみた。(共同通信=藤原朋子)
最初に事務棟の展示室を訪れた。説明パネルで大田市場の仕組みを学ぶ。市場に親しみを持ってもらうために展示されている運搬車ターレは、校外学習に来た小学生の人気の的という。
水産棟、青果棟、花き棟では、2階に見学者用の通路が設けられている。青果棟の卸売場には、前夜から未明にかけて、産地から届いた野菜や果物の段ボールが山積みにされていた。ターレやフォークリフトが通路をせわしなく行き来し、各地へ向かうトラックが待機する荷さばき所へ品物を運搬する。物流拠点ならではのダイナミズムを感じた。
午前7時、青果物の卸会社「東京青果」の移動競りを取材した。競り人と買い手が、茨城のナシ、山形のイチジクなど、品物の山から山へと小刻みに動きながら進める。競り人の呼びかけに、買い手が値段や数量を手で示す「手やり」で応じた。
メロンの扱いは特別だ。ベルトコンベヤーに一箱ずつ載せられ...