枡野浩一【芸人になりたくて 55歳歌人の挑戦#1】歌集ヒットから地下芸人に 有名一転、無名中の無名

  •  55歳の誕生日イベントでおどける筆者
  •  枡野浩一さん

 歌人の枡野浩一さんが一度は諦めた芸人になるという夢をかなえるため、芸人養成所に入所した。挑戦する55歳の日々を、短歌を交えてつづる連載の第1回。

   ×   ×

 〈地下にいる芸人だから地下芸人 たとえではなく地下におります〉

 僕が錦鯉さんの後輩芸人として2013年から15年まで通っていた、芸能事務所ソニー・ミュージックアーティスツ(SMA)の持ち小屋「びーちぶ」は地下にある。最寄駅は豊島区の千川。

 ハリウッドザコシショウさんや、バイきんぐの小峠英二さんを筆頭に、SMAの芸人はみんな声がでかい。もともと音楽のライブハウスだったびーちぶの壁が、お客さんの笑い声も芸人の声も全ての音を吸収してしまうため、どうしても大声で話すようになってしまうからだと言われている。

 本業が歌人である僕などは地声が小さすぎて、後ろの席のお客さんに「全く何も聞こえませんでした」とアンケートに書かれたことが一度や二度ではない。

 そして今年5月から毎週水曜と土曜に通っている「タイタンの学校」も地下にある。最寄駅は新宿御苑前。びーちぶに比べたら新しくて小ぎれいだ。私の声が客席に届くサイズ。それにしても、どちらも地下にあ...

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