サブカルチャーの発信地として知られる東京・高円寺は、活気ある商店街もあって親しみやすい。世界的な建築家が設計し地元に根付いている劇場や90年の歴史がある銭湯があり、老いも若きも心地よく過ごせる街を歩いた。(共同通信=中井陽)
JR高円寺駅から中野方面へ歩いて約5分。屋根がテントのようにカーブする茶色の建物が見えた。国際的に活躍する建築家伊東豊雄さんが手がけた劇場「座・高円寺」だ。洞窟を思わせる建物は曲線を多用し、深紅の内装と、渦巻き状に幾つもともるライトが祝祭感を醸し出す。
街を舞台に開催される阿波おどりの練習に来る人、絵本が並ぶカフェで食事を楽しむ人…。「地域の人が、演劇に関係なくても毎日のように来てくれます」と芸術監督のシライケイタさん。
駅方向へ戻り作家ねじめ正一さんの小説の舞台になった「高円寺純情商店街」を散歩した。新鮮な品が並ぶ八百屋や精肉店、鮮魚店に交じりカフェなど飲食店、ギャラリーもあってにぎやかだ。
早稲田通りまで出ると「駄菓子乃滝ちゃん」という店から元気な声が聞こえてきた。ちょうちんが下がる店内には所狭しと菓子やグッズが並びレトロなゲーム機もある。小学生らがインスタ...