数学の世界にある、いまだに解けない問題や不思議な法則を、科学ライターの井筒智彦さんが毎月紹介します。古代から現代まで、人類が数と格闘した歴史も垣間見えます。
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今回から何度かにわたって素数の話をします。
素数とは、1と自分自身でしか割り切れない数です。1は含めません。
小さい順に、2、3、5、7、11、13、17…と続いていきます。
素数をかけ合わせれば、どんな数でも作り出せます。「数の素」だから「素数」なんですね。
素数は小学校でも習う基本的な考え方ですが、数学者が人生をかけて取り組むような謎を数多く秘めているそうです。
中には解くと1億円を超える懸賞金がもらえる問題もあるんだとか。
そう聞くと、素数が気になってきます。まずは、手に取って眺めることから始めてみましょうか。
例えば、1から100までの数には、どんな素数があるでしょう?
一つずつ全てを判別していくのは大変です。
そこで「エラトステネスのふるい」という便利な方法を使ってみます。
まず1から100までの数を全て書き出します。
1は素数ではないので消します。
2は素数です。〇をつけて残し、そこから一つおきに、つ...