山鉾が巡行する祇園祭で知られる京都の八坂神社。そのすぐ近くにあるのが「漢字ミュージアム」(京都市東山区)だ。学校のテストなどで苦手意識のある人も多い漢字だが、同館ではゲームや体験を通じて奥深い漢字の世界に触れられる。(共同通信=中井陽)
小学生らでにぎわうエントランスを抜け、展示室へ向かうと冒頭には「今年の漢字」が。毎年末全国から世相を表す漢字を募集し一番多かった字を清水寺貫主が大筆でしたため、報道陣に披露する風物詩だ。「清水寺や祇園など観光名所に近いので、旅行の合間に来館する人も多いですよ」と同館の塩見優子さん。
1階展示室の壁一面には、古代中国での漢字の誕生や日本への伝来の歴史が全長約30メートルの絵巻にまとめられている。来館者全員に配られる「体験シート」を手に取ると、展示に沿った体験をしやすい。
例えば日本の漢字を紹介する平安時代のコーナーではひらがなやカタカナの元となった漢字のスタンプを押して、自分の名前を記すことができる。並んだ文字から漢字がどう日本に溶け込んだかが実感でき、新鮮な気持ちになった。
約5万字の漢字が記されたタワーを眺めながら2階へ上がると漢字の仕組みを使った...