JR西日本中国統括本部は7日、特急「やくも」(出雲市-岡山間)に来春から順次投入する新型車両「273系」の内覧会を、松江-根雨間で行った。沿線自治体や観光、商工関係者ら約150人が試乗し、同区間を往復。普通車やグリーン車、グループ向け座席の座り心地を確かめたほか、真新しい車両の窓から見る沿線の風景を一足早く満喫した。
新型車両は大阪府東大阪市の近畿車両で製造されており、このうち2編成が10月31日に山陰入りした。
松江、米子、根雨の各駅にブロンズ色に輝く特徴的な車体が滑り込むと、関係者らはさっそく車内に入り、新たに導入された車内設備や、山陰をイメージしたシート生地などを確認。足を伸ばしてくつろげるグループ向けのセミコンパートメントにも座るなどし、来春の運転開始を心待ちにしていた。
沿線でもファンらが至る所でカメラを構え、秋の伯耆路を駆け抜ける黄金色の車体に熱い視線を送った。
この日は新たに導入された振り子制御装置は稼働させずに運行。今後の試運転で調整が行われ、乗り心地は従来車両より改善される。JR山陰支社の佐伯祥一支社長は「40年ぶりとなる『やくも』専用の新型車両。ぜひ乗っていただき、移動することの楽しさや、山陰の良さを知るきっかけにしてほしい」と話した。