#2025鳥取県美 -先進施設に学ぶ- (12)滋賀県立美術館(大津市瀬田南大萱町)

  • 開放感あふれるエントランス・ロビー。中庭の彫刻を鑑賞しながらゆったりくつろげる
  •  「美術館に誇りをもってもらうことが大事」と話す保坂ディレクター
  • 2021年にリニューアルオープンした滋賀県立美術館(撮影:大竹央祐)
  • アール・ブリュット作家らを紹介する企画展=2022年、撮影:加藤駿介(NOTA&design)
  • 澤田真一さん作「無題」=2006~07年、滋賀県立美術館蔵

 江戸時代の浮世絵師、歌川広重の『近江八景』にも描かれた日本三大名橋の一つ「瀬田の唐橋」にほど近い、緑豊かなびわこ文化公園内に位置する。正規の美術教育を受けていない作家による芸術「アール・ブリュット」は滋賀県になじみが深く、国内の公立美術館としては唯一、作品収集の柱に掲げて国内最大級のコレクションを誇る。2021年にリニューアルオープンし、多くの人が美術に親しめるような取り組みも積極的に展開している。

 平日午後の静かな園内。晩秋に色づくプラタナスの並木を抜け、隣接する図書館前のベンチで読書にふける男性を横目に進むと、美術館が見えてきた。

残り 2351 文字
このページは会員限定コンテンツです。
会員登録すると続きをご覧いただけます。
無料会員に登録する
会員プランを見る
会員登録済みの方
この機能はプレミアム会員限定です。
クリップした記事でチェック!
あなただけのクリップした記事が作れます。
プレミアム会員に登録する ログインの方はこちら
#2025鳥取県美 -先進施設に学ぶ- (記事一覧へ)

#2025鳥取県美 -先進施設に学ぶ- (記事一覧へ)

2025年春に予定する鳥取県立美術館の開館まで約2年となった。着工寸前での凍結、ゼロベースからの再検討、立地を巡る綱引き…。都道府県単位の美術館としては全国でほぼ最後に建設され、開館は県民の悲願と言える。ただ、いまだに「どんな美術館になるか分からない」との県民の声は多い。他の都道府県の公立美術館の運営や展示、地域との関わりなどを取材する企画「#(ハッシュタグ)2025鳥取県美~先進施設に学ぶ」を月1回掲載し、約63億円の投資効果に見合う「公共財としての美術館の役割」とは何かを探る。

トップニュース

同じカテゴリーの記事