1月1日に発生した能登半島地震では、いまだに被害の全容が明らかになっていないとされる。理由は大きく分けてふたつで、ひとつは「木造住宅の倒壊で壊滅的な状態となっている地区があるから」、そしてもうひとつは「道路が通行できなくなるなどして孤立状態になっている地区があるから」だ。自治体職員も避難所にいる住民への対応などで精いっぱいで、こういった地区の状況の把握までとても手が回りきらないのだ。
被害のひどい地区では、電話が通じにくくなっていたり、停電のためスマホの充電ができなかったりするところも少なくなく、そこからの発信もむずかしい。いまの時代、「情報が手に入らないこと」ほど人を不安に陥れる事態はないだろう。とくに若い人たちは「スマホを忘れたら何も手につかない」「友人から丸1日LINEがない。心配で仕方ない」など、いつでも誰かと連絡がつき情報が手に入る状態でいるのが当然になっており、短時間でもそうでなくなると動揺する。それが何日も続き、いつ解決するかもわからない。そんな中で避難生活を送ることの心理的恐怖は想像を絶する。
自衛隊はヘリコプターで孤立地区に物資を運ぶとのことだが、その際にはぜひ物資...