先週の11日、日経平均株価が1990年2月以来、約34年ぶりに3万5000円を突破しました。しかし、この株価上昇は必ずしも日本経済の良さを反映したものではなく、手放しでは喜べないのが実態です。
というのも先週の株価上昇は、物価高を反映した実質賃金の悪化を示すデータが公表されたことが一つのきっかけになったからです。
具体的には、厚生労働省が10日発表した2023年11月分の毎月勤労統計で、1人当たり名目賃金が前年同月比0.2%増と伸びが大きく減速し、実質賃金は3.0%減となってマイナス幅が急拡大しました。賃金の内訳を見ると、パートタイムではない一般労働者の特別給与の減少が押し下げに大きく効いています。
23年春闘の賃上げ率が30年ぶりの高水準となって、定期給与は上昇しましたが、その負担が増えた企業はボーナスなどの特別給与を減らして、人件費総額を抑制していると推察されます。
年明けに能登半島地震が起き、日銀がマイナス金利を早期に解除するとの見方は既に後退気味でした。今回の賃金データでその観測が一段と後退し、利上げや円高で企業収益が低下することへの警戒感も薄れて株価上昇に結び付いた可能性が...