【小川糸 一筆申し上げます】年賀状じまい 手ぶらで生きる

  •  小川糸

 今回から、こちらのコーナーを担当することとなりました。どうぞよろしくお願いします。

 毎年、お正月は年賀状を書いて過ごしてきました。いただいた年賀状に、一通一通手書きで宛名とメッセージを書き、お年玉付きの切手を貼って新年のごあいさつとするのが、私にとってのお正月でした。けれど、今年からそれをしていません。迷った末に、年賀状じまいをいたしました。

 私ごとですが、昨年、人生の節目の50歳を迎えました。そのことで、ますます終活に力を入れたいと思うようになったのが一番の理由です。今はもう、年賀状という紙の形にこだわらなくても、新年のごあいさつはさまざまな方法で可能です。もちろん、新年早々のお楽しみがなくなってしまうことに対して、一抹の寂しさはありますが、この先ずっと皆さまに年賀状を書き続けるというのもまた現実的ではないので、今年がちょうどいい区切りであると判断しました。これまで年賀状をくださっていた方々には、昨年の暮れ、年賀状じまいのごあいさつ状をしたため、お一人お一人にお送りしました。

 何が正解というのはないと思うのですが、そのことによって、気持ちが少し軽くなったのは事実です。空いた時間で、...

残り 601 文字
このページは会員限定コンテンツです。
会員登録すると続きをご覧いただけます。
無料会員に登録する
会員プランを見る
会員登録済みの方
この機能はプレミアム会員限定です。
クリップした記事でチェック!
あなただけのクリップした記事が作れます。
プレミアム会員に登録する ログインの方はこちら

トップニュース

同じカテゴリーの記事