昨年末から食欲不振などの胃腸の不調が伝えられていた秋篠宮妃紀子さま。宮内庁は、紀子さまが内視鏡検査を受け、症状の直接の原因となるような所見は認められなかったと発表した。
これはあくまで一般論であるが、胃腸は実はとても繊細な臓器だ。“食べものが通過する管”のように考えている人もいるかもしれないが、決してそうではない。胃腸は食べものを先に送るために波打つような動きをしながら、消化液を分泌して食べものを栄養素に分解しているが、それは神経やホルモンによってコントロールされている。さらにそれらの司令塔になっているのは脳である。その仕組みは微妙なバランスの上に成り立っているので、さまざまな要因で簡単に乱れが生じてしまう。
その乱れの結果、胃腸じたいに異常はないのに、おなかの痛みやもたれ感、張りなどが起きることを、医学的には「機能性胃腸症」と呼んでいる。胃腸の不調で内科を訪れる人のうち、半分はこの機能性胃腸症だとする医者もいる。
とくに近年、皇族は心身の不調に陥った場合、すぐにそれを公表し、その後の検査結果や回復の過程も宮内庁が具体的かつ細かく、そのつど国民に伝える。「公の立場」という自覚のもとに...