衆議院議員の堀井学氏。選挙区はいま私が勤務する診療所がある北海道9区なので、あちこちでポスターを見かける。私の世代には、スピードスケート選手として活躍し、1994年のリレハンメル冬季オリンピックで銅メダルを獲得した姿も記憶に残っている。
その堀井議員は自民党安倍派(清和政策研究会)に所属しており、政治資金パーティーをめぐる裏金問題で「最近5年間で2196万円のキックバック(還流)を受けていた」と先ごろ認めた。しかも驚くべきごとに、「2021年分の約500万円は自ら現金で東京から北海道内に運んだ」というのだ。報道にはさらにそのくわしい経緯も記されているのだが、その500万円は「いずれも新札で100万円ごとに帯封、茶封筒に入れられて」いて、堀井氏が「飛行機で道内に運んだ」という。
そう聞いて私は、「堀井氏はキックバックによる裏金と知っていたから、記録が残る振込みなどではなく現金で運んだのだろう」と思った。ところが記事には、堀井氏が「当初は何の金かは分からず、秘書にLINEで尋ねて、キックバックであることがわかった」と関係者に説明している、と記されていた。裏金じたいが問題なのは当然だが、こ...