経済産業省が1月31日に発表した2023年12月の鉱工業生産指数速報(20年=100、季節調整済み)は、前月比1.8%上昇の105.9となりました。事前に公表されていた経産省の予測や市場予想を下回ったものの、2カ月ぶりの上昇です。
10〜12月期も前期比1.4%上昇でした。鉱工業生産の前期比率と実質国内総生産(GDP)成長率は連動性が高く、民間エコノミストの大方の見方通り、今年2月公表の23年10〜12月期の経済成長率(速報値)も2四半期ぶりのプラスに転じる可能性が強まったと言えるでしょう。背景には、半導体の在庫調整が進んだことがあります。
23年12月の鉱工業生産の上昇をけん引したのは、汎用(はんよう)・業務用機械工業や生産用機械工業といった機械分野です。汎用・業務用機械工業は、前月に落ち込みましたが盛り返しました。
注目されるのは輸送機械です。というのも、12月の実績は1.9%上昇でしたが、12月下旬以降の一部自動車メーカーの生産停止の影響を受けてか、11月時点での生産計画を大きく下回る結果となりました。経産省が示した今年1月の生産予測指数も10.6%低下です。やはり背景には生産...