【柳亭小痴楽 その男、ヤングマン】恐るべし人工知能

  •  柳亭小痴楽

 この連載エッセーを読んでくれている皆さんの中で、交流サイト(SNS)に触れている方はどれくらいいるのだろうか。私は機械が苦手なのだが、それでも宣伝などではとても有効的に使わせてもらっている。

 私が二つ目に昇進した2009年頃は、まだSNSがこんなに当たり前には浸透していなかった。…と言っても、私が知らないだけで世間ではすでに広まっていたのかもしれないが、私の知る限り落語界(芸人の間)ではそんなに浸透していなかった。

 当時の落語会の宣伝というと、インターネットでホームページやブログをお客さんに見てもらう一方で、私たち芸人は、落語会の主催者さんから送られてきた紙のチラシを、各会場に持って行って挟み込みをしていた。

 これがなかなか大変な作業で、開場前に何種類ものチラシを客席分持って行く。例えば200席の会場だと、チラシが10種類あると2000枚になる。これを毎回トランクケースに入れて、持って行っていたのだ。そんな重たい思いをしても終演後に、折られたチラシたちが客席の床やロビーに捨てられているのを見ては、もったいない思いや悲しい気持ちになっていた。ほんの5年前くらいまではそんな毎日だった。

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