【永浜利広 深読み経済ニュース】年明けに減速した街角景気 鍵握る株高の効果

  •  永浜利広(第一生命経済研究所首席エコノミスト)

 内閣府が8日発表した年明け1月の景気ウオッチャー調査によると、街角の景気実感を示す現状判断指数(DI)は50.2でした。景気の良しあしの分岐点となる50を辛うじて上回りましたが、前月からは1.6ポイント低下しました。低下は4カ月ぶりで、街角景気の減速傾向が表れています。

 分野別に見ると、家計動向関連DIが最も低水準の49.5で、前月から2.1ポイント低下しました。企業動向関連は50.9と分岐点を上回ったものの、1.2ポイントの低下です。一方、雇用関連は0.6ポイント上昇の53.3でした。地域別では、北陸が9.1ポイントも低下して41.3に落ち込み、能登半島地震の影響を如実に示す結果となっています。

 足を引っ張った家計動向関連の内訳を見ると、飲食関連が7.8ポイントの低下でマイナス幅が最も大きく、それ以外でも旅行・交通を中心としたサービス関連や、百貨店などの小売り関連が押し下げ要因となりました。回答者(景気ウオッチャー)のコメント集からは、能登半島地震を受けて北陸地方以外でも観光客数が減少している様子がうかがえます。

 企業動向関連の低下は、燃料費や人件費の上昇で利益が圧迫されている非製...

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