絵本作家たなかひかる「僕の絵本で頭は良くならない。けど…」 漫画家・芸人の顔も持つヒットメーカーが「意味の分からない絵本」を作る理由

  •  たなかひかる。「意味の分からない絵本の方が、意外と大人になっても心に残っていて、ふと思い出すことがある」
  •  絵本「そそそそ」の表紙
  •  絵本「そそそそ」の一場面。コアラの足が「にゅーん」と…

 「すしが高速で走る」「おばけの皮をむいたらお相撲さんが現れる」。不思議な世界観で子どもの心をわしづかみにする絵本作家たなかひかるが、新作「そそそそ」(ポプラ社)を出版した。「田中光」名義でギャグ漫画家としても活動し、お笑い芸人の顔も持つたなか。新作もコアラやパンダなどのかわいらしい動物たちが予想外の「変身」を遂げるナンセンスな笑いで読者を翻弄する。「何が面白いのか分からない絵本を作りたい」。そう話すたなかが、絵本作りに込めた思いとは―。

 たなか・ひかる 京都市出身。「田中光」名義でお笑い芸人として活動しながら描いたギャグ漫画「サラリーマン山崎シゲル」で脚光を浴びる。2019年に出版した初の絵本「ぱんつさん」で、翌年の第25回日本絵本賞受賞。その後も「おばけのかわをむいたら」「すしん」などのヒット作を連発している。

 記者 新作「そそそそ」は、どんな絵本ですか。

 たなか 今まで作ってきた「ぱんつさん」や「すしん」と同じ流れで、あまり意味を持たせずに、「どこが面白いか」という説明もストーリーもなく、子どもたちが読んで自分で面白がる部分を発見してもらえればいいと思って作りました。

 記者 コア...

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