2月13日の外国為替市場の円相場は1ドル=150円台に急落しました。150円台の円安局面は、32年ぶりの水準となった2022年秋以降、昨年秋と今回とで3度目を数えます。
背景には、米連邦準備制度理事会(FRB)の早期利下げに対する期待が後退したことがあります。というのも、13日に公表された1月の米消費者物価指数が事前の市場予想を大きく上回ったからです。市場は、インフレが再加速したと受け止め、それまで5月と見込んでいた利下げの開始時期が今夏以降にずれ込むとの予想を強めました。
米国の代表的な長期金利である10年国債の利回りも一時は4%を切っていましたが、4.3%台に上昇しました。株式市場も売りが優勢で、ハイテク株主体のナスダック総合指数は一時2%以上も下落しました。為替市場はドルが全面高となり、円相場は一気に150円台後半まで売られるという流れでした。米国の金利が上昇したことで、新興国から米国に資金が引き戻されるとの観測が高まり、新興国の通貨も下落しました。
円安は、これまでの想定よりも長期化する可能性があります。FRBは、インフレ率を低下させながら景気を冷やし過ぎないソフトランディン...