いきなりですが、57は素数でしょうか?
素数とは、1と自分自身でしか割り切れない2以上の数です。
例えば6は、6=2×3と分解でき、2や3で割り切れるので素数ではありません。
先ほどの57は、57=3×19と分解できるので、素数ではありませんでした。著名な数学者が57を素数だと勘違いした逸話があるので、不正解でも気にしないでくださいね。
かけ算なら簡単にできるのに、分解するのはそうとは限らない。
実は、このことが実生活で応用されています。
例えば、インターネット上で買い物をするとき、クレジットカード番号などの大切な情報は暗号化してやりとりされます。
暗号化の方法の一つであるRSA暗号は、なんと素数を利用します。
情報を受け取る側は、約300桁もの巨大な素数を二つ用意し、それらをかけ算して得られる約600桁の数を公開します。ただし、元の二つの素数は秘密です。
利用者が送信する情報は、この「二つの素数をかけた数」を使って暗号化されます。
暗号化された情報は、かける前の二つの素数を知る人しか元に戻すことができない仕組みになっているのです。
暗号化するための数が公開されていて不安になりますが...