高級住宅地として知られる田園調布(東京都大田区)は、丘に古墳群を残すなど、古いことを大切にしてきた地域の人々の思いに触れながら、街歩きを楽しめる。(共同通信=藤原朋子)
田園調布駅の西口で小さな建築が目を引く。1990年に解体され、地元の要望で2000年に復元された旧駅舎だ。赤い屋根に窓が三つ並び愛らしい。
広場から放射状に延びる街路を進む。ステンドグラスの窓や、城のような柱を配した邸宅が並び、憧れを抱いた。
窓辺におしゃれなコーヒーカップを飾る古民家もその一つ。北欧ジャーナリストの森百合子さんが経営する、スウェーデンやデンマークの食器と布を扱う店「Sticka(スティッカ)」だ。店内には、森さんが買い付けた、日本の暮らしで使いやすい小ぶりのビンテージの器が並ぶ。12年に開店。地域の人々と接する中で「古き良きものを尊重する方が多いと感じます」と話す。代々、家庭で愛用するデザインの器を探す客も訪れるという。
20分ほど歩き、多摩川台古墳群へ。国指定史跡で全長約107メートルある前方後円墳「亀甲山古墳」などが丘の上に並ぶ。4~7世紀、人々はなぜここに造ったのか。
多摩川台公園の古墳展示室...