日米友情人形の1体発見 渋沢栄一らが寄贈受け約100年 保存状態良好

  •  見つかった「友情人形」=東京都北区
  •  「友情人形」を手にする渋沢栄一(渋沢史料館所蔵)
  •  見つかった「友情人形」と渋沢史料館の学芸員=東京都北区

 米国での排日移民法成立で日米関係が悪化していた1926~27年、友好親善の証しとして米民間人から、渋沢栄一が設立した団体に多数贈られた「友情人形」(通称『青い目の人形』)のうち1体が、東京都内の個人宅に保管されていたことが分かり、渋沢史料館(東京都北区)が、講演会でお披露目した。

 同館によると、当時米国から約1万2千体が贈られたが、太平洋戦争中に敵国の人形として扱われ、多くが失われた。日本国内で現存するのは約300体という。

 今回見つかったのは「ジーン・クレアー・ダウニング」と名付けられた人形で、同館が2月に寄贈の申し出を受けた。

 大妻女子大の是沢博昭教授(文化史)によると、ジーンは米エファンビー社製の典型的な型抜き人形で、経年変化はあるが保存状態は良いという。是沢教授は「民間人による国際交流の原点を振り返る上で、歴史的にも史料的にも価値が高い」と話す。

 友情人形は米宣教師シドニー・ギューリックらの団体から、渋沢が設立した日本国際児童親善会を通じ、各地の幼稚園や尋常小学校などに寄贈された。日本側も「答礼人形」を米側に贈った。

 同館は今後、人形がたどった道のりなどを調べ、一般公開を検討...

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