大規模な商業施設やおしゃれな飲食店、雑貨屋が軒を連ねる吉祥寺駅(東京都武蔵野市)周辺。駅の南口(公園口)から10分ほど歩いて木立を抜けると、井の頭公園の広大な空が開け、街のにぎわいと静けさのギャップに驚く。(共同通信=鈴木賢)
井の頭公園は1917年、日本で最初の郊外公園として開園した。井の頭池周辺では、ジョギングをする人、ベンチで読書にふける人が、風景にすっかり溶け込んでいる。
公園案内所によると、井の頭池は江戸時代、「武蔵野三大湧水池」の一つで神田上水の水源だった。池の脇には徳川家康がお茶に用いたとの伝説がある泉「お茶の水」も。現在は湧き水が減少したため、ポンプで地下水をくみ上げて往時の様子を再現しているという。
池を離れ、公園内に42年に開設された井の頭自然文化園の門をくぐる。教育普及係の田中愛さんは「日本固有のさまざまな動物たちと出合えるところが魅力。気軽に散策に訪れて、自然との触れ合いを楽しんでほしいです」と話す。
自然文化園は動物園と水生物園の二つのエリアから成る。合わせて170種を超える動物を飼育。国の特別天然記念物のタンチョウやニホンカモシカの他、絶滅危惧種のツシマヤ...