古川登志夫「台本をもらえるのは良くて前日、遅いと当日。リテイクはほぼできない」 ベテラン声優が語る80年代の吹き替え・アニメ制作の舞台裏

  •  「当時は主要キャラの声優が脇役の声を兼ねることも多かった。いくつやってもギャラは同じです」と笑う古川登志夫
  •  映画「真夜中の処刑ゲーム」より。古川登志夫が吹き替えを担当したグース<(C)1982 SALTER PRODUCTIONS LIMITED.>
  •  映画「真夜中の処刑ゲーム」で吹き替えを担当した古川登志夫

 1980年代のアニメ「うる星やつら」で主人公・諸星あたるを演じ、近年は「ONE PIECE」のエース役などでも知られる声優の古川登志夫。80年代に吹き替えを担当した洋画「真夜中の処刑ゲーム」の2Kリマスター版ブルーレイ発売に合わせ、収録当時を振り返った。今や大ベテランとなった古川が「厳しい先輩方に囲まれて、過酷だったけどいい時代だった」と語る、70~80年代の吹き替え、アニメ制作の舞台裏とは。

 【ふるかわ・としお】栃木県出身。1970年代から洋画の吹き替えやアニメの声優として活躍。アニメ「ドラゴンボール」(ピッコロ)シリーズなど出演多数。現在は俳優・声優養成所「青二塾」の塾長として、後進の育成にも力を入れる。

 (1)「師匠」中田浩二との思い出

 

 記者 30年以上前に収録された作品ですが、当時の記憶はありますか?

 古川 海外ドラマや洋画の吹き替え、いわゆるアテレコの仕事を始めたのは25歳の時だったんですが、それから15年ぐらい後に収録した作品です。アテレコの仕事が一番面白くなっていた時期だったので、どんな仕事でも入るとうれしくて、一生懸命やっていました。

 記者 印象的だった出来事は。

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