「別冊マーガレット」で最新話が掲載されると、毎回インターネット上で「バズる」異色のギャグ漫画がある。『かしこい男は恋しかしない』(集英社)は、日本有数の進学実績を誇る「私立開帝高校」に通う1年生の大沢正直(おおさわ・まさなお)が、その優れた頭脳を生かし、女性たちにモテて青春を謳歌しようとする物語。ただ、大沢は、性根が「陰キャ(陰気なキャラクター)」で、肝心なところで空回りし、ことごとく失敗してしまう。「学歴×ラブコメディー」という新境地を切り開いた漫画家の凹沢みなみさんと、担当編集者の高峰洋明さんに、作品の舞台裏を聴いた。
(1) 顔をキメてからホームにスーッ
記者 2022年に、同じ「大沢正直」が主人公の読み切り『セヱシュンコンプレックス』が「別冊マーガレット」に掲載されています。大沢正直の友人「真島シグマ(ましま・しぐま)」「森樹太郎(もり・じゅたろう)」も登場するラブコメですが、3人は共学の高校生で、シグマがヤンキーっぽいことなど、『かしこい男は恋しかしない』との違いもあります。この『セヱシュンコンプレックス』が土台になっていると思うのですが、着想のきっかけを教えてください。
凹沢 ...