数の世界は、いろいろな問題(挑戦状)を人々に突き付けてきます。こうした問題に、数学者はどのように挑んでいるのでしょうか。数学者であり監修の谷口隆さんに話を聞きました。
数学者が取り組む問題は、テストで解く問題とは大きく異なります。
テストの問題には答えにたどり着く解法がありますが、数学者が取り組む問題では答えに向かう道筋が定まっているわけではありません。
それでも、あれこれ考えたり、紙に計算をしたりします。頭と手を動かす日々をこつこつ積み重ねていくと、あるときふと問題を解くための方法がひらめくそうです。
問題が解けたときには「数の世界にある新しい構造を見つけたような気がして、うれしくなる」と谷口さんは言います。
数には、調べてみると予想もしない法則が見つかることがあります。
例えば第6回では、1を素数で割って出てくる小数の繰り返し部分を取り出し、二つに分けて足すと9がずらりと並ぶ、という手品みたいな話をしました。
谷口さんは数の世界に対して「おまえ、まだ何か隠しているだろう?」という気持ちを抱いているそうです。
数にはまだまだ面白い性質や奥深いつながりがあるのではないか、という疑いと...