印刷会社、製本所が点在する東京メトロ有楽町線の江戸川橋駅(文京区)周辺。高台へ向かうと、東京におけるカトリック信仰の歴史に触れることができる。(共同通信=藤原朋子)
駅から「印刷博物館」へ向かった。徳川家康が鋳造を命じた銅製活字で、国の重要文化財「駿河版銅活字」など、印刷技術の発展を語る上で重要な資料を展示する。
印刷工房では、近代主流だった活版印刷の技術を体験できる。活字を組み、印刷機にセット。レバーを引き、インキをのばしてからカードに印字する。凹凸が独特の質感を生みだす。
博物館を後にし、目白通りを西へ進み、駅名の由来となった「江戸川橋」を渡った。神田川に架かる橋は交通の要衝で、往来が激しい。
出来たてのサンドイッチや菓子パンが並ぶ「関口フランスパン」本店に立ち寄った。一番人気は、フランスパンとしてなじみのあるバゲット。「小麦粉、水、塩と材料がシンプルなので、それぞれの品質にこだわっています」と専務の高世英司さんが話す。同社は、明治時代にカトリック関口教会の前身の食パン製造部として創業。国内のフランスパン製造の草分け的存在だ。
原点の地となる教会を訪ねた。カトリック東京大司教区の...